SURFERS JORNAL/サーファーズジャーナル 日本語版23.3
SURFERS JORNAL/サーファーズジャーナル 日本語版23.3
販売価格: 1,900円(税別)
(税込: 2,090円)
Backyard Compositions
「裏庭からの構図」
ライアン・クレーグの写真は裏庭からはじまる。
文:ボー・フレミスター
今号のポートフォリオは、ボディーボーダーでもある写真家、ライアン・クレーグ。彼のこだわりは景観を構成する要素を上手に取り入れた構図にある。メインの被写体であるサーファーや波と同じように、そこにいる見知らぬ人物や偶然通りかかった漁師、または歴史的背景などを作品に組み込んでいく。それは、彼は単にどこかの国の波を知ってもらいたいからではなく、それによってその国そのものを理解してもらいたいからだ。
Directional Shift
「転換期」
かつて競い合っていたライバルたちが、いま邂逅(かいこう)する。トム・カレン(USA)、マーク・オキルーポ(AUS)、ゲーリー・エルカートン(AUS)のインドネシアでの再会のボート・トリップ。
文:デビッド・スパーカー
Priboy, Tovarishch!
「サーフ・コムラード(波乗り同志)!」
ただいまバリ島で進行中、ロシアとインドネシアの微妙な関係。
文:マリア・アーネスト
最近、バリで目立ちはじめているのがロシア人サーファーなのだ。鼻毛も凍る寒い地から来た彼らはどうもビーチカルチャーに疎(うと)く、なにかとバリニーズとトラブルになっているという。そんな最近のバリの風物詩、ミスマッチなファッションセンスのサーフ・コムラード、ロシア人サーファー現象をマリア・アーネストが絶妙な筆致(ひっち)で描く。
Little Pot Blues
「リトル・ポット・ブルース」
鎌倉の隠れ里で密かに割れる、ブルーズな波に想いを馳(は)せる。
文:ジョージ・カックル
写真:李リョウ
サーフィン誌に逗子のシークレットとして紹介される大崎、そして逗子マリーナの鎌倉側の沖で割れるカブネ。サーフィンのメッカ、湘南・鎌倉の一角にある小坪はその交通の便の悪さもあって鎌倉の隠れ里とも呼ばれている。そんな小坪のサーフポイントをザ・サーファーズ・ジャーナル日本版として初めて取りあげたアーティクルだ。ライターは、かつてサンフランシスコ・フォートポイントのヘビーローカルだったジョージ・カックル、いまでは自ら大崎のローカルとして想いを込めて書きあげた力作だ。タイトルの「リトル・ポット・ブルース」は小坪シローの曲のタイトルでもある。
Sensitized
「波乗り島の憂鬱(ゆううつ)」
モルディブのトップクラスのリゾートは、けっしてサーファー向けではないが、ローカルやゲスト以外のサーファーを排除することなく、地元のコミュニティにも恩恵を還元する。そんなリゾート“シックスセンス”になにか学ぶことはあるだろうか?
写真・文:ジェフ・ラガーツ
Redacted
「封印された特殊任務」
機密扱いだったブラー教官の冒険
文:ピーター・マグワイア
サーフィン界でもっとも危険な男と揶揄(やゆ)されるイヴァン・トレントは、あの伝説のサーファー、グッドウィン“バジー”トレントの息子。物静かで、巻き髪を持つ54歳のその男は、ハワイのカフナのような風貌(ふうぼう)に、パシュトゥン族(アフガニスタン最大の民族)の長老のような髭(ひげ)をたくわえている。身体は元気そのもので、いまでも4マイルの距離をきっちり28分で走り切る。マカハで生まれ育ったイヴァン・トレントは、そこで随一のサーフチーム、「マカハ・スクリーマーズ」の一員として迎えられたうえ、ワイメアベイの常連サーファーとなり、アウトサイド・ログキャビンズに挑んだ最初のサーファーのひとりとなった。とはいえ、米海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊長が水中で成しとげてきた偉業が、ユーチューブに配信されることはない。おそらく彼が他界してからも長いこと機密扱いのままだろう。トレントのもつ価値観は、現代のアメリカよりも、古代ギリシアのシュッシティアやローマ軍のそれに近い。「人生には不平等なんて存在しない。置かれた状況にどう対処するか。あるのは、それだけだ」
Anatomy Of A Surf Fink
「サーフフィンク(‘60年代に登場したキャラクター)誕生秘話」
永遠のサーフアニメ、“マーフィー”
文:ブライアン・チェデスター
アメリカ・サーフィン界の伝説のアーチスト、リック・グリフィンとUS『サーファー』誌の発行・編集人であるジョン・セバーソンとの出会いによってサーフフィンク、“マーフィー”が生まれた。リック・グリフィンによってつくり出されたキャラクター“マーフィー”、その誕生の秘話とリック・グリフィンの生涯に迫る。
The Ecstasy of Invention
「発明する悦び」
ボードデザイン界の奇才、トム・モーレイとサーフボード・デザインを歴史的に再検証する。
語り:トム・モーレイ
The Life and Deaths of Allan Byrne
「アラン・バーン、その生と死」
もっとも優れたニュージーランド人、アラン・バーンの驚くべき物語。
文:マット・ジョージ
だれよりもサーフボードのスピード、”ベロシティーエラ(速度の時代)”を追求したシェーパー、アラン・バーンは一時シェーパーを辞めて宇宙飛行士をめざすことになる。そしてふたたび海に戻ったアラン・バーンは、航空工学を応用した自身のブランド“バーニング・スピアーズ”、7‘4“チャンネルボトムを駆ってパイプライン・マスターズに出場し、決勝に進む。アラン・バーン、32歳のときだ。そして、生涯を閉じる62歳まで、人生を賭して「スピードの拡張」を追求しつづけた。速度こそがつねに絶対。それが彼の人生だった。
「裏庭からの構図」
ライアン・クレーグの写真は裏庭からはじまる。
文:ボー・フレミスター
今号のポートフォリオは、ボディーボーダーでもある写真家、ライアン・クレーグ。彼のこだわりは景観を構成する要素を上手に取り入れた構図にある。メインの被写体であるサーファーや波と同じように、そこにいる見知らぬ人物や偶然通りかかった漁師、または歴史的背景などを作品に組み込んでいく。それは、彼は単にどこかの国の波を知ってもらいたいからではなく、それによってその国そのものを理解してもらいたいからだ。
Directional Shift
「転換期」
かつて競い合っていたライバルたちが、いま邂逅(かいこう)する。トム・カレン(USA)、マーク・オキルーポ(AUS)、ゲーリー・エルカートン(AUS)のインドネシアでの再会のボート・トリップ。
文:デビッド・スパーカー
Priboy, Tovarishch!
「サーフ・コムラード(波乗り同志)!」
ただいまバリ島で進行中、ロシアとインドネシアの微妙な関係。
文:マリア・アーネスト
最近、バリで目立ちはじめているのがロシア人サーファーなのだ。鼻毛も凍る寒い地から来た彼らはどうもビーチカルチャーに疎(うと)く、なにかとバリニーズとトラブルになっているという。そんな最近のバリの風物詩、ミスマッチなファッションセンスのサーフ・コムラード、ロシア人サーファー現象をマリア・アーネストが絶妙な筆致(ひっち)で描く。
Little Pot Blues
「リトル・ポット・ブルース」
鎌倉の隠れ里で密かに割れる、ブルーズな波に想いを馳(は)せる。
文:ジョージ・カックル
写真:李リョウ
サーフィン誌に逗子のシークレットとして紹介される大崎、そして逗子マリーナの鎌倉側の沖で割れるカブネ。サーフィンのメッカ、湘南・鎌倉の一角にある小坪はその交通の便の悪さもあって鎌倉の隠れ里とも呼ばれている。そんな小坪のサーフポイントをザ・サーファーズ・ジャーナル日本版として初めて取りあげたアーティクルだ。ライターは、かつてサンフランシスコ・フォートポイントのヘビーローカルだったジョージ・カックル、いまでは自ら大崎のローカルとして想いを込めて書きあげた力作だ。タイトルの「リトル・ポット・ブルース」は小坪シローの曲のタイトルでもある。
Sensitized
「波乗り島の憂鬱(ゆううつ)」
モルディブのトップクラスのリゾートは、けっしてサーファー向けではないが、ローカルやゲスト以外のサーファーを排除することなく、地元のコミュニティにも恩恵を還元する。そんなリゾート“シックスセンス”になにか学ぶことはあるだろうか?
写真・文:ジェフ・ラガーツ
Redacted
「封印された特殊任務」
機密扱いだったブラー教官の冒険
文:ピーター・マグワイア
サーフィン界でもっとも危険な男と揶揄(やゆ)されるイヴァン・トレントは、あの伝説のサーファー、グッドウィン“バジー”トレントの息子。物静かで、巻き髪を持つ54歳のその男は、ハワイのカフナのような風貌(ふうぼう)に、パシュトゥン族(アフガニスタン最大の民族)の長老のような髭(ひげ)をたくわえている。身体は元気そのもので、いまでも4マイルの距離をきっちり28分で走り切る。マカハで生まれ育ったイヴァン・トレントは、そこで随一のサーフチーム、「マカハ・スクリーマーズ」の一員として迎えられたうえ、ワイメアベイの常連サーファーとなり、アウトサイド・ログキャビンズに挑んだ最初のサーファーのひとりとなった。とはいえ、米海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊長が水中で成しとげてきた偉業が、ユーチューブに配信されることはない。おそらく彼が他界してからも長いこと機密扱いのままだろう。トレントのもつ価値観は、現代のアメリカよりも、古代ギリシアのシュッシティアやローマ軍のそれに近い。「人生には不平等なんて存在しない。置かれた状況にどう対処するか。あるのは、それだけだ」
Anatomy Of A Surf Fink
「サーフフィンク(‘60年代に登場したキャラクター)誕生秘話」
永遠のサーフアニメ、“マーフィー”
文:ブライアン・チェデスター
アメリカ・サーフィン界の伝説のアーチスト、リック・グリフィンとUS『サーファー』誌の発行・編集人であるジョン・セバーソンとの出会いによってサーフフィンク、“マーフィー”が生まれた。リック・グリフィンによってつくり出されたキャラクター“マーフィー”、その誕生の秘話とリック・グリフィンの生涯に迫る。
The Ecstasy of Invention
「発明する悦び」
ボードデザイン界の奇才、トム・モーレイとサーフボード・デザインを歴史的に再検証する。
語り:トム・モーレイ
The Life and Deaths of Allan Byrne
「アラン・バーン、その生と死」
もっとも優れたニュージーランド人、アラン・バーンの驚くべき物語。
文:マット・ジョージ
だれよりもサーフボードのスピード、”ベロシティーエラ(速度の時代)”を追求したシェーパー、アラン・バーンは一時シェーパーを辞めて宇宙飛行士をめざすことになる。そしてふたたび海に戻ったアラン・バーンは、航空工学を応用した自身のブランド“バーニング・スピアーズ”、7‘4“チャンネルボトムを駆ってパイプライン・マスターズに出場し、決勝に進む。アラン・バーン、32歳のときだ。そして、生涯を閉じる62歳まで、人生を賭して「スピードの拡張」を追求しつづけた。速度こそがつねに絶対。それが彼の人生だった。