4/16発売
シングルフィン・ロングボードの本質に迫る写真集
映画「ビッグ・ウェンズデー」と、そしてその時代のサーフカルチャーに魅せられて、ロングボードの聖地カリフォルニアで
20年にもおよぶ歳月をかけて完成させた写真家・竹井達男の渾身の一冊。
サイズ:285x255mm
ページ数:244ページ
写真集「AUTHENTIC WAVE」概要
著者:竹井達男がアナログフィルムとそのフィルムの撮影にマッチするビンテージカメラ&レンズ(例えばセンチュリーレンズやニコノス水中カメラ)にこだわり、そしてデジタル映像という大きなうねりに翻弄されながらもただひたすらアナログでの撮影を不器用に追い求めているのは、竹井の憧れである1960年代のシングルフィン・ロングボードとその時代のサーフカルチャーにあった。
それは微妙で繊細な取り扱いが求められる現像や紙焼きという時間や手間のかかる工程と、シンプルさゆえの手探りのマニュアル操作という不便で不確実なアナログ機材ひとつひとつを不屈の精神と血のにじむような努力でマスターしながら、そして竹井いわく「シングルフィン・ロングボードの聖地アメリカ西海岸で潜入捜査並みの長期にわたる水面下での取材や撮影をおこない、命がけのジャーナリスティックなアプローチで挑んだ」20年間の集大成がこの写真集「AUTHENTIC WAVE」だ。
こした竹井の徹底した写真撮影方法や主題に対するアプローチは単なる1960-1970年代の模倣の域を超え、新しいジャンルを見出していると、アメリカ最高峰のサーフィン専門誌「ザ・サーファーズ・ジャーナル」誌から高い評価を受けている。
タイトルのAUTHENTIC WAVEは竹井達男本人が考え出した造語だ。
竹井によると、オーセンティックウェーブとは「美味しい波」、「肩のこらない心地よい波」、つまりロングボーダーにとって”最高のコンディションの波”を意味しているという。
もともとこの「Authentic」という英語は、アメリカでは食べ物やファッション、音楽などさまざまな商品、場面で使われている言葉で、「正真正銘の」とか「信頼のおける」、「正統派な」という意味の形容詞だ。
竹井がこの「Authentic」という単語をはじめて見たのはサンディエゴの街中の「Authentic Mexican Food」という看板で、おもわず納得したという。
アメリカでは洋品やスポーツウェアなどのウェア・ブランドなども好んで「Authentic」という言葉を多用していて、彼はこの言葉に強くインスピレーションを受けた。そして最高級品をめざしている作りての最上級な言葉だと感じたのだ。
彼が撮影してきた被写体のバックグラウンドであるカリフォルニアの波はポイントブレイク、リーフブレイク、ビーチブレイクにいたるまで、グラッシーで、胸肩サイズの長い距離が乗れるというまさにシングルフィン・ロングボーダーにとって「信頼のおける正統派な波(美味しい波)」と感じこの写真集に「Authentic Wave」と名付けた。
竹井が命名したこのAUTHENTIC WAVEという造語は、ジェフ・カンハムやバリー・マッギーなどのカリフォルニアのアーティストたちからもすんなりと受け入れてもらったところをみても、案外ドンピシャのタイトルだったのかもしれないと、竹井は考えている。